男性不妊症の教科書を開くと、その記載のされ方は、
原則、薬物療法が有効なのは、低ゴナドトロピン血性精巣機能低下症のみ。
他に経験的にホルモン療法・ビタミン剤・漢方薬などが使用されているが、有効性は証明されていない。
こうした(エビデンスのない)治療に時間を費やすよりは、生殖補助医療に頼るほうが現実的
といった感じです。
まあ、これらの考え方は、基本的には今も変わってないのですが、最近の流れとしては、今まで「経験的」と表現されてきた治療法の中には、実はエビデンスのあるものがあるのではないか?として見直されつつあるような感じがします。
そんな中で、「特発性男性不妊に対するゴナドトロピン療法」について、天下の「コクラン」が、2013年、記載内容を少し変化させてきました。
本ページでは、この内容について触れてみたいと思います。
リンクはこちら。
です。
この要約を日本語訳にしてみたいと思います。
背景:
目的:
結果:
結論:
そんなわけで、今まで「経験的」「利くも八卦・・・」といわれてきた特発性(原因不明)男性因子に対する治療ですが、この「ゴナドトロピン療法」のように、少し見直されつつある流れなのでしょうか?
今回ご紹介したコクランは2013年版ですが、その前の2007年版に比べると、多少語気が強くなっている印象を受けます。
ただし、ご存じかどうか、ゴナドトロピン療法は注射回数が頻回ですし、保険が利かないので(低ゴナドトロピン血性なら利く)結構高額です。
簡便性/経済性と治療効果、このバランスが見合うかどうかの吟味が必要なようですね・・・。
でもそんなわけで、「経験的だから」と捨てたものではないのかも知れませんね。