クロミフェン抵抗性PCOに・・・?
2014年6月記
CC抵抗性PCOに「CC+CoQ10」
クロミフェン抵抗性PCOに対して、「クロミフェン+α」で排卵誘発できないか?というのがいくつかありますね。
例えば、メトホルミンやステロイド、hMGなどです。
で、今回、「クロミフェン+コエンザイムQ10」というのがRBM onlineという雑誌に紹介されておりましたので、紹介してみたいと思います。
リンクはこちら。
です。
「クロミフェン150mg+コエンザイムQ10 180mg/day」
- クロミフェン150mg(管理人注:一日3錠ということです)5日間で卵胞発育を認めないか、発育しても子宮内膜が<5mmとなってしまう症例110人に対し、ダブルブラインドで「クロミフェン+コエンザイムQ10」v.s.「クロミフェンonly」を施行。
- クロミフェン+コエンザイムQ10群
- day2~クロミフェン150mg/day5日間+day2~hCG投与日までコエンザイムQ10 180mg/day 3×を内服する。
- 55人エントリーし、4人dropしたので、51人、82周期で検討。
- クロミフェンonly群
- day2~クロミフェン150mg/day5日間のみ。
- 55人エントリーし、5人dropしたので、50人、71周期で検討。
- ともに、主席卵胞18mmでhCGを打ち、24-36時間後に性交渉を持つよう指示。
- 排卵率は、「クロミフェン+コエンザイムQ10群」で54/82(65.9%)、「クロミフェンonly群」で11/71(15.5%)で有意差あり。
- 臨床的妊娠率は、「クロミフェン+コエンザイムQ10群」で19/51(37.3%)、「クロミフェンonly群」で3/50(6.0%)で有意差あり。
- hCG投与時子宮内膜厚は「クロミフェン+コエンザイムQ10群」で8.82±1.49mm、「クロミフェンonly群」で7.03±0.74mmで有意差あり。
- クロミフェン抵抗性PCOに対し、「クロミフェン+コエンザイムQ10」が有効であり、何より安全性が高い。ゴナドトロピン療法(管理人注:hMG注射のこと)やLOD(管理人注:LOD=Laparoscopic Ovarian Drillingで、腹腔鏡で卵巣に「穴」をあける、という手術療法です。)の前にtryしてみるのがいいのではないか?
とのことです。
PCOと酸化ストレスの関連を示唆する報告は多々あるのも事実ですし、確かに面白い発想ですね。
なお、「内膜の厚さ」の改善は、「直接作用」では無くて、発育卵胞数増加による「エストロゲン濃度の上昇」が原因ではないか?との考察がなされています。
僕も、治療法の引き出しの一つとして、持っておこうと思います。