卵胞発育と頸管粘液の絶妙なバランス


自然妊娠するためのシステムは実によく作られている!

このページでは、通常の性交渉(腟内射精)後に妊娠成立するまでに神様が作り上げたシステムを簡単に解説してみたいと思います。
図が僕の自作で誠に申し訳ないのですが、お付き合いください!

ルノワールもびっくり!(^^;
ま、絵のことは突っ込まないでください。

女性のお腹の中は、ざっとこんな感じになっています。
で、腟は外とつながっていますので、常に雑菌の侵入のリスクがあるわけです。
じゃあ、雑菌の侵入をそのまま許しているのか?というと、もちろんそんなことはないですね。
では、どのように雑菌の侵入を防いでいるかというと、腟内は「酸性」にキープされるメカニズムが備わっています。
で、この「酸」を使って、殺菌しているわけです。
こうすることにより、雑菌の侵入を許さないわけですね。
こうしたメカニズムは「腟の自浄作用」と呼ばれています。
この環境下で腟内に射精されても、精子も酸により殺菌されてしまいます。
精子も酸性環境には非常に弱いです。

このままでは、精子は生きて子宮内に入ることはできませんね。
では、どうやって妊娠が成立するのでしょう?
キーは「卵胞の発育」です。
卵胞が発育すると、エストラジオール(エストロゲンの一種で、よくE2と記載されます)というホルモンが分泌されます。
このE2が、子宮頸管(子宮の出口)に働きかけて、「頸管粘液」と呼ばれる粘液を分泌します。
頸管粘液は弱アルカリ性になっていて、腟内射精された精子はこの中だったら生き残ることが出来ます。

まさに「砂漠のオアシス」
こうして、頸管粘液の中で生き残った精子が子宮内→卵管内へと侵入していくことが出来るのです。

頸管粘液は「門番」の役割

こうした原理を考えていただければお分かりの通り、女性にとってみれば、腟内環境をアルカリ性にする、ということは、自らの身を危険にさらす、ということに他ならないわけです。
よって、頸管粘液を分泌するのは、短ければ短いほど良いわけです。
実際に(精子にとって)良質の頸管粘液が分泌されるのは、卵胞が十分に育ち、排卵する周辺のごくごく限られた時間のみなのです。
それ以外の時間は、そういったわけで腟内環境は常に酸性で、体内への細菌(+精子)の侵入を強力にブロックしているわけです。

そんなわけで、頸管粘液は、排卵の時期だけに扉を開け、精子の侵入を許す「門番」的な役割を担っているわけです。

女性の皆さんには自覚なさっている方も多いですよね。(あまり気にしてない方もいらっしゃいますが。)
ネットでは俗に「ノビオリ」と呼ばれている、透明な糸を引くおりものですね。(「伸びおりもの」だそうです)
逆にいうと、この「ノビオリ」を使うと、排卵の時期が推定できるわけですね。

inserted by FC2 system