子宮頸がん検診リコメンデーション

2014年4月記

平成23年に「日本産婦人科医会」が「子宮頸がん検診リコメンデーション」というのを出しておりますので、これを見ておきたいと思います。
皆さんに関連しそうなところだけピックアップしておきます。

細胞診単独による子宮頸がん検診

【検診の開始年齢】

細胞診による子宮頸がん検診は20歳から開始すべきである。ただし、性交未経験の女性は除く。

【検診の受診間隔】

20歳代の女性に対しては毎年の検診実施が推奨される。
30歳以上で、細胞診が3回連続で正常だった女性は2年毎の検診を推奨する。
なお、HIVに感染している女性、免疫抑制剤を投与している女性、CIN2、CIN3または子宮頸がんの治療履歴がある女性は毎年検診が推奨される。

細胞診とHPV-DNA検査併用による子宮頸がん検診

子宮頸がんを引き起こすHPV(ヒトパピローマウイルス)は13種類あることが知られていますので、この13種類のHPVがいるのかいないのか?も調べてしまおう、というわけですね。
以下、保険適応外の検査法も含まれていますので、ご承知おき下さい。

【検診の開始年齢】

細胞診とHPV-DNA検査併用による子宮頸がん検診は30歳以上の女性に推奨される。
30歳未満の女性は高リスク型HPV感染率が高いため、併用検診は推奨されず、細胞診単独による検診が推奨される。
なお、細胞診ASC-USのトリアージ検査としてHPV-DNA検査を実施する場合は全ての年齢に適用される。

【検診の受診間隔】

細胞診とHPV-DNA検査がともに陰性であった30歳以上の低リスクの女性は3年後の検診を推奨する。
HIVに感染している女性、免疫抑制剤を投与している女性、CIN2、CIN3またはがんの治療履歴がある女性は毎年検診を受けるべきである。

【検診の終了年齢】

過去10年以内に細胞診異常がなく、連続3回以上細胞診が陰性であった65歳以上の女性は、最後の検診で細胞診とHPV-DNA検査がともに陰性であれば検診を終了することができる。

【併用検診を適応すべきではない対象】

30歳未満の女性は一過性の感染が多いため、併用検診を実施すべきではなく、毎年細胞診を受けるべきである。
また、良性疾患で子宮全摘術を受けた女性は併用検診を実施すべきではない。

結果の解釈と運用

1.細胞診(陰性)/HPV-DNA検査(陰性)の場合

次回検診を3年後に実施する。

2.細胞診(陰性)/HPV-DNA検査(陽性)の場合

6~12か月後に細胞診とHPV-DNA検査による再検査を実施する。

3.細胞診(ASC-US)/HPV-DNA検査(陰性)の場合

1年後に細胞診による再検査を実施する。

4.細胞診(ASC-US)/HPV-DNA検査(陽性)の場合

コルポ診を実施する。

5.細胞診陽性(異常)の場合

HPV-DNA検査の結果にかかわらず、細胞診がLSIL、ASC-H以上の細胞異常が見られた場合はコルポ診を実施する。

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