両側のチョコレート嚢胞手術後は閉経が早くなる?

本HPでも各所で取り上げた如く、子宮内膜症性卵巣嚢腫を「卵巣が腫れている!」といって、即座に手術に持っていくと痛い目を見ることがある、手術は「適切な時期」を見極めて行うべきですよ、というのが最近の考え方だ、という点はご紹介した通りです。
手術により「卵巣予備能」がめちゃめちゃ下がるのでした。

で、今回ご紹介する論文はこちら。

本論文ですが、おおざっぱに言うと「両側の内膜症性卵巣嚢腫の手術をすると、閉経年齢が早くなる」といった内容です。
恐ろしい話です。

内膜症手術による卵巣へのダメージ

「筆者(この論文を書いた先生)の結論」

とのことです。そんなわけで、

両側の内膜症性嚢胞の核出術は、一般の人に比べ、早めに閉経する。
なおかつ、「早発閉経」になる可能性が高いのかも知れない。 

といった内容です。

管理人考察

いやはや、そういう訳で、インパクトのある論文でした。
実際に僕の浅い経験の中でも、内膜症の手術をした後に、卵巣予備能がひどく低下して、もう早発閉経直前、いわゆる「風前のともしび」状態、でも、なんとか妊娠したくてしたくて・・・。という方を何人も診させていただきました。
そういった患者さん達が、何より、自分自身を責めたり、ご主人さんに申し訳ないといった内容の発言をするのですが、これがまた切なくて悲しくて・・・。
いやはや、なんとかして解決してあげたい!と思うのですが、実際、卵巣予備能が低下していてどうにも動けない。
僕自身、自分の力不足に、悲しくなるのです。

inserted by FC2 system