2014年6月記
今日(2014年6月)現在、アロマターゼ阻害剤は排卵誘発剤としての効能は認可されておりません。
即ち、アロマターゼ阻害剤を排卵誘発目的に使用することは、完全に適応外使用です。
仮に実臨床上、排卵誘発剤として使用する医療機関があったとしたら、それは処方する医療機関(医師)の責任の上で、患者様との十分なインフォームドコンセントが形成され、両者合意の上で処方されている筈です。
よって当然ですが、本HPはアロマターゼ阻害剤の適応外使用による健康被害等に一切の責を負いません。
本HP記載内容はアロマターゼ阻害剤の排卵誘発剤としての利用を認める意図は全く無く、海外の医学雑誌に記載された内容の和訳・解説に過ぎないことを十分ご理解の上、お読みください。
排卵誘発の合併症に卵巣過剰刺激症候群(OHSS)があります。
僕が研修医の頃は、入院管理やら、真夜中の救急外来で「お腹が張る」やら、しょっちゅう拝見させていただきましたが、最近流石に入院適応になるほどのOHSSはほとんど見なくなりました(時代の経過+地域特性もあるのかもしれませんが)。
かくいう僕も高刺激をやるのですが、OHSSハイリスク時には全胚凍結で回避してしまいます。
高刺激時のOHSS回避には、全胚凍結以外にもいろいろな工夫がなされています。
その中の一つに、
ということで、採卵後に「アロマターゼ阻害剤」を飲んでみてはどうか?という発想があります。
今回は、そんな論文をご紹介してみたいと思います。
です。
という内容の論文です。
ということで、その新鮮周期にETしないんだったら、アロマターゼ阻害剤飲めばE2を下げられるよ、という内容でした。
但し、この論文のendpointは所詮「ホルモン値」でしかなく、肝心の「OHSSが回避できるのか?」ではないところがミソです。
つまり、
という疑問が残りますよね。
単にE2下げただけじゃあ、いわゆる「医者のオナニー」止まりなわけです。
どうなんでしょうか?
単純に考えればE2が下がればいいような気がしますが、最近、こんな論文がPubmedで見つかります。
論旨的には
ということのようです。
この論文は非常に興味のある内容なのですが、中国語なので流石に僕には読めません。
英語で書いてくれればいいのに・・・。
ということで、アロマターゼ阻害剤のOHSS予防(?)に関する内容でした。