クロミフェン、レトロゾール周期の人工授精時、卵胞が何ミリの時に排卵させるのがいいのか?

2012/11記

HPをご覧いただいている方から頂戴したご質問です。
「クロミフェン使用周期で排卵誘発目的のHCG投与する場合、卵胞の大きさはどのくらいを目安にしていらっしゃいますか?」(原文コピペ)
うっ!鋭い質問!確かにあまり正確なデーター聞いたことがないぞ?
経験的に18mmでいいような気もするし、でも、内膜未完成な気もするし・・・。
お恥ずかしながら、根拠のある数字、教えてもらったことがないです。
で、調べていたら、まさに今年、そのデーターが論文になっていましたので紹介したいと思います。

我ながら、未だに何の根拠もなく経験的にやっていることっていっぱいあるものです。
反省。

卵胞何ミリでhCGを打つのがいいのか?

さて、論文の内容を見てみましょう。
まずイントロから。

The timing of hCG administration is not well standardized but usually relies on there being at least one follicle greater than 18mm in mean diameter at ultrasound imaging.
(hCGを打つタイミングに標準化されたものはないが、一般的に主席卵胞が18mm以上になったらというのが使われている。)

と、手痛い御指摘でございます。

で、誘発方法は
クロミフェン:CC(100) 5日間の777人
(ちなみに日本では1錠が50mgなので注意が必要です。)
レトロゾール:5mgをday3~day5の211人
(レトロゾールも1錠は2.5mgなので、2錠ということです。)
だそうです。

とのことです。

ただし、これはあくまで、クロミフェン(100)5日間、つまり、1日2錠内服した場合のデータです。
通常我々がよく使う1日1錠のデーターではない点に注意が必要です
が、少なくとも18mmでもなく30mmでもないわけですね。
かつ、やっぱり内膜の厚さは重要ですね。
いやはや、クロミフェン、本当に難しい薬です。) 

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