Lesson01:「筋腫があります」と言われたら


まず大切なのは「冷静な判断」

不妊を診てもらおうと病院に行く。
「筋腫がありますね」
と言われる。
「ギャー!何それ?私が?なんで?痛くも痒くもないのに。手術?手術なの?痛いの?何日入院するの?そもそも妊娠できるの?・・・・」
パニックになる。
「あ~~、あなた。原因は私だ。私のせいだ。ごめんなさい。」
「落ち着け、今度おっきい病院行って診てもらおう。」

そりゃそうなりますわな。
びっくりしちゃうと思います。
でも逆に、僕も外来やってると
「え?これ手術するの?しないでいいんじゃないの?」
という場合も多いです。というか、その方が多い。
筋腫があるからと言って、絶対全員手術かというと、そんなことはないです。
大切なのは、

です。そして最終的には、

です。

そもそも「閉経前女性が、何かしらの筋腫を有する確率」は、報告によってちがうのですが、5.4%~77%だそうです。
人種差も大きいそうです。
日本人は、大体、30%位という報告が多いでしょうか。

妊娠成立して、初めて産婦人科に来て、そこで「筋腫があります」と言われる人も多いです。
僕らの言葉で言う「子宮筋腫合併妊娠」というやつですね。
そう。つまり、「筋腫があると必ず不妊になるか?」というと全然そんなことないです。
筋腫で不妊になっている人は、本当にごく一部です。

「でも、私は事実不妊だ!」
確かにそうなんですが、それでも次のパターンが考えられるわけです。

で、実は、医者側から見ると、

というのもあります。
「シロ」「クロ」と決めつけられれば治療方針は決定的ですからまあよいのですが、この「グレー」が実に曲者です。
「あの病院では即手術と言われたのに、別の病院では様子見と言われた。」
なんて感じのことも多いです。
毎日のように筋腫診ている医者でも、悩ましいケースも多いのです。

では、何を参考に手術の適応を決めればいいのか?
次のページからじっくり勉強していきましょう。 

【POINT】

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