不妊治療と先天性インプリント遺伝子異常症(1)

本ページでは「不妊治療とインプリント遺伝子のエピジェネティックな変化」について解説してみたいと思います。

正直言って非常にデリケートな問題だと思いますし、僕もネットを始めてから、この内容をネット上に展開することが本当にいいことなのかどうなのか悩みました。
投げっぱなしの一方通行の情報で、誤解釈が誤判断の元になってしまうのはいただけない、と思っていました。

しかしながら、近年の情報化社会のペースは著しく進んでいる反面、情報が非常に側面的で偏っています。
ニュースなりネットなりを見ると、なんだかよくわからないけど

などといった記事を時々目にすることがあると思います。

正直このレベルの記事は結果だけを(言葉悪いかもしれませんがある意味)面白おかしくピックアップしているに過ぎず、その考察がほぼなされていません
いわゆる「マスゴミ」情報ですわな。

そんな「程度の低い」情報でも、皆さんは、「ある」というニュースを見ると不安にさせられ、「ない」というニュースを見ると安心し。
そんな感じなのだと思うのですね。
あるいはそんな感じの「程度の低い」ニュースを情報源に、人生の一大決断をしたカップルもいらっしゃるかもしれませんね。

みたいな感じ。

実際には、医学論文レベルではどっちの意見もあります
ほぼ、交互に出てくる感じ。
統計的には「微増派」v.s.「有意差無し派」といった感じでしょうか。
例えば、「不妊治療と小児癌」で行ってみましょうか。
えっと、こちら

「有意差あり」
で、こちら

「有意差なし」です。
どちらも同じ2013年の論文です。

上の論文を記事にすると、例えば

になりますし、下の論文を記事にすると、

となるわけですわ。
で、皆さん混乱させられるわけです。

こうした研究結果の結果だけでモノを論じるから、「有意差あり」と聞くと「やっぱり危ないんだ!」と思い、「有意差無し」と聞くと「安心だ」となってしまうわけです。
両論出るたびに一喜一憂させられるわけです。

では、そもそも何で「不妊治療」+「出生児の健康状態」でこんなにも議論が巻き起こるのでしょうか?

そうなんですね。その通りです。
「何かある」の「何か」には幾つか候補が挙げられているのですが、その一つが今回取り上げる「インプリント遺伝子のエピジェネティックな変化」です。

はい。大丈夫です。今の時点でこの言葉の意味が理解できるようなら、それでメシが食えているはずです。
この後、なるべく噛み砕いて説明しますので着いてきてみてください。

専門家と言われる人たちが、何でそんなに議論しているのか?が、最後には何となくわかってもらえるように努力します。
そして、それは本当に恐れなければいけないものなのか?避けなければならないものなのか?
もちろん最終判断は個人個人の価値観であり、

と感じる人もいれば、

と感じる人もいると思います。

とにかく一番よろしくないのは、事の本質がよくわからず(理解せず・理解できず)、漠然と恐れおののき、よくわからないけどなんか怖いから避けてしまう、(あるいはその逆)だと思いましたので、この解説に踏み切ることにします。

本ページの情報なんて、所詮公衆便所の落書きレベルです。もちろん最終判断は自己責任でお願いします。
また、そういった内容に踏み込みますので、そういった内容に不快感を感じる方は、以降本ページを追わないことをお勧めいたします。
逆に、お読みいただけるなら、最後までお読みいただいてご判断いただくことをお勧めいたします。
皆様の「インフォームド・チョイス」へ、ほんの少しでも足しになってくれたら幸いです。

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